イザヤ書 13
「バビロンに攻め上る敵軍の旗を見よ。
資産家どもと権力者どもの屋敷を壊そうと
進撃して来る彼らに、歓声を上げて手を振れ。
主であるわたしは、
この時のために彼らを取っておいた。
わたしは、わたしの怒りを晴らすために
喜んで協力する者を呼び集めた。
山の上の騒動と、軍隊が行進して来る音を聞け。
あれは、多くの国の兵士がどよめき叫ぶ声だ。
天の軍勢の主が彼らを連れて来た。
それも、ずっと遠い国々からだ。
バビロンよ、彼らはおまえを攻め立てる神の武器だ。
神の怒りを運んで来て、おまえの国を見るも無残に踏みにじる。
いよいよ主の時が来たのだから、
恐怖におびえて泣き叫べ。
全能の神がおまえたちを打ち砕く時がついにきた。
あまりの恐ろしさに腕は麻痺し、勇気はくじけ、
震え上がる。産みの苦しみにあえぐ女のように、
激しい苦痛を伴う恐れに取りつかれる。
おまえたちは絶望して互いに見つめ合うが、
青ざめたその顔に映るのは、町を焼く炎ばかりだ。
さあ、神の日が来る。
それは、神の憤りと激しい怒りに包まれた、
身の毛もよだつような日だ。
地は、そこに住む罪人もろとも滅びうせる。
星も太陽も月も一筋の光さえ放たず、
天は真っ暗になる。
わたしは世界をその悪のために、
悪者どもをその罪のために罰する。
傲慢な者とおごる金持ちとを踏みつぶす。
わたしがそれを終えた時、
生き残っている者はほんの一握りだ。
その時、人を見いだすことは
金鉱を掘り当てることより難しく、
オフィルの金より価値あるものとなる。
わたしが憤りと激しい怒りで天を震わすので、
大地は元の場所から移動する。
バビロンの兵士は逃げ回り、ついに精根尽きて倒れる。
まるで犬に追われる鹿のように
故国めざして一目散に走り、
羊飼いに捨てられた羊のようにさまよう。
走る気力を失った者は無残に殺される。
幼子たちは彼らの目の前で、
舗道の石に投げつけられて殺される。
家は略奪され、妻は攻め入った敵兵に犯される。
わたしはメディヤ人をバビロンに敵対させる。
どれほど金銀を積んでも、
彼らを買収することはできない。
侵入した軍隊は、若者にも子どもにも幼子にも、
いっさい手ごころを加えない。
こうして、王国の誉れであり
カルデヤ文明の華であったバビロンは、
天からの火に焼かれたソドムとゴモラのように滅びる。
バビロンは二度と立ち上がれず、
永久に人が住みつかない。
遊牧の民でさえ、そこにテントを張らず、
羊飼いも、そこでは羊の群れを休ませない。
バビロンは荒野の野獣やだちょうの
住みかとなり果てる。
家々はみみずくの巣となり、悪鬼が来ては踊り回る。
ハイエナや山犬は宮殿を巣窟とする。
バビロンの寿命はあとわずか、運命の時はそこまで来ている。