東京湾北部で、大型クジラの目撃情報が相次いでいる。海上保安庁は、付近を航行する船舶に注意を呼びかけている。
東京海上保安部によると、6月18日朝、漁船に乗っていた人から東京都江戸川区の葛西沖での目撃情報が寄せられ、25日正午までに計9件の情報が寄せられた。「体長が10~15メートルはあった」との証言もある。場所は荒川河口付近から東京湾アクアライン海ほたるパーキングエリア(PA)付近の範囲で、東京湾の最奥部にあたる。
千葉県船橋市の釣り船経営、内木(ないき)章人さん(47)は24日午後3時過ぎ、同PAの北約4キロ沖でクジラを目撃したといい、「20分間で20回ほどジャンプを繰り返していた」と話した。
東京海洋大の中村玄助教(鯨類学)によると、胸びれなどの特徴からザトウクジラとみられるという。中村助教は「餌のイワシなどを追いかけて北上する時期であり、途中で東京湾に迷い込んだのではないか」とみている。【花牟礼紀仁】